エレバスとテラーはその当時、英海軍が誇る珠玉の艦船だった。フランクリン卿とフランシス・クロージャー(Francis Crozier)副官の指揮の下、2隻の艦船は大西洋と太平洋を結ぶ北極海の北西航路を発見するために、合計134人の乗組員を乗せて1845年5月19日に英国を出港した。

 だが1845年8月にカナダ北部・バフィン湾(Baffin Bay)で探検隊と擦れ違った捕鯨船2隻の乗組員らが、同艦船を目撃した最後の欧州人となった。

 北極海諸島に向けて前進を続けた探検隊は間もなく、いくつかの問題に遭遇した。その後、偶然通りかかったイヌイット以外に、彼らの生きている姿を再び目撃した者は誰もいない。エレバスとテラーの両船は最終的に、氷に閉じ込められてしまった。(c)AFP/Jacques LEMIEUX