【3月26日 AFP】第2次世界大戦中に48人を乗せたままノルウェー沖で沈没したナチス・ドイツの潜水艦が、海底送油管敷設のための作業中に偶然発見された。ノルウェーのベルゲン海洋博物館(Bergen Maritime Museum)が25日、発表した。

 同博物館のArild Maroey Hansen氏によると、見つかった潜水艦は「U-486」で、ノルウェー西部ベルゲン(Bergen)を出港した直後の1945年4月、英国軍潜水艦の魚雷攻撃によって真っ二つに折れ、海の底へ沈んだ。生存者はいなかった。

 潜水艦は、ノルウェーの石油会社スタトイル(Statoil)が送油管を敷設するのに適した場所を調査していた際に、水深約250メートルの海底で発見された。

 Maroey Hansen氏はNRKラジオに「この潜水艦の船体には、レーダー信号を大幅に減少させるため、合成ゴムの特殊コーティングが施されている」と話している。

「U-486」は、同じく1945年に沈没した潜水艦「U-864」が眠る場所から約2キロメートル離れた場所で見つかった。「U-864」は数十トンの水銀を積んだまま沈んだため、長年にわたり政治家の頭痛の種となっている。「U-864」の船体も二つに折れており、水銀による環境汚染を最小限に抑える方法として、残骸を引き揚げる案と、丈夫な石棺で覆う案の二つが提案されている。(c)AFP