【5月14日 AFP】ハイチ沖で見つかった沈没船を調査している研究チームは13日、この船がイタリアの探検家クリストファー・コロンブス(Christopher Columbus)が初めてアメリカ大陸に到達した際に乗り込んでいた旗艦「サンタマリア(Santa Maria)号」である可能性があることが分かったと発表した。

 チームは14日、米ニューヨーク(New York)市で記者会見し、この発見の詳細と、その沈没船をサンタマリア号とみなす根拠について発表する予定だ。

 水中探検家のバリー・クリフォード(Barry Clifford)氏(68)によると、この沈没船が発見された海域は、500年以上前にサンタマリア号が航海していたとコロンブスが説明していた場所だという。

 同氏が最初にこの沈没船を調査したのは11年前。その後同氏が主導した調査によって、同船が間違いなくコロンブスの船であると示せるだけの十分な証拠をようやく引き揚げることができたのではないかと、同氏は考えている。

 米マサチューセッツ(Massachusetts)州在住で、海洋考古学調査を専門とする同氏は声明で、「地理的、海底地形的、考古学的な全ての証拠が、この沈没船こそがコロンブスの有名な旗艦、サンタマリア号であることを明示している」とした上で、「この沈没船の徹底的な解明を進めれば、コロンブスによるアメリカ発見の詳しい海洋考古学的証拠が初めて示されることになると確信している」と語った。

 クリフォード氏らの調査チームは、2003年に初めて同船を調査した際、大砲を回収した。しかし同氏は米CNNテレビに対し、当時考古学者らはその大砲について「誤った見立てをした」と指摘している。

 コロンブス時代に使用された大砲に関し独自の研究を続けた同氏は、2年前、「夜中に突然目が覚めて『オー・マイ・ゴッド(何てことだ)』とつぶやいた」という。そのため同氏は今年、専門家チームとともに沈没船の再調査に臨み、船を慎重に計測し、さまざまな証拠を写真に収めてきた。

 同氏は来月ハイチに戻り、地元当局者らに会って今後どのような作業が必要になるかを確認する予定だという。(c)AFP/Mariano Andrade