【9月8日 AFP】インドのカシミール(Kashmir)地方では7日、洪水によって孤立した数千人の住民の救出活動が、兵士らによって続けられた。同地方を襲った中では過去50年で最悪とされる洪水により、これまでに少なくとも150人が死亡、主要都市スリナガル(Srinagar)では市内の大部分が冠水する事態となっている。

 ジャム・カシミール(Jammu and Kashmir)州の風光明媚なヒマラヤ(Himalayan)地域では、モンスーンによる集中豪雨が各地で洪水と地滑りを引き起こし、約350の村も冠水被害を受けた。

 スリナガルでは7日、ジェラム(Jhelum)川のはん濫により市内の広範が冠水、住民らは屋根の上に避難した。小児病院を含む2件の病院で浸水被害が出たとの情報も伝えられている。

 同州各地で孤立した住民の救助のため、数千人規模の軍隊や警察などの部隊がヘリコプターとボートで派遣され、これまでに少なくとも1万4800人が救助された。

 ナレンドラ・モディ(Narendra Modi)首相は被災地域を視察し、救援活動の責任者らと面会。現地の状況を「国家レベルの災害」と形容した。

 また、隣国パキスタンでも数日間続いた豪雨による被害が出ており、当局によると鉄砲水と家屋崩壊で193人が死亡している。(c)AFP/Parvaiz BUKHARI