【9月6日 AFP】パキスタンの当局者が5日明らかにしたところによると、同国ではモンスーンによる前日からの豪雨で少なくとも86人が死亡した。当局は主要河川流域の低地に住む人たちに避難を命じている。

 死者が出たのは、パキスタンの州の中で最も人口が最も多いパンジャブ(Punjab)州と、カシミール(Kashmir)地方のパキスタン実効支配地域。死因の多くは大雨による屋根の崩落や感電だった。

 パキスタン国家災害管理庁(NDMA)によると、パンジャブ州のチナーブ川(Chenab River)流域の3都市で洪水発生の可能が高まっている。軍によれば、軍のヘリコプター8機とボート80隻が同州各地で救出活動に当たっており、災害対応に動員された軍の部隊は、今後も同国第2の都市であるパンジャブ州の州都ラホール(Lahore)で待機するという。

 パンジャブ州の救助責任者はAFPに対し、同州だけで死者は少なくとも48人、負傷者は174人だと明らかにした。

 一方、カシミール地方のパキスタン実効支配地域の中心都市、ムザファラバード(Muzaffarabad)の防災当局の責任者は、同地域での死者は少なくとも38 人、負傷者は9人と発表している。

 NDMAによると、同地方のパランドリ(Palandri)では4日午後2時(日本時間同日午後6時)までの30時間に、300ミリ以上の雨量が記録された。

 パキスタンは4年前から毎年、モンスーンの季節に発生する洪水の被害を受けている。昨年は洪水によりパキスタン全体で178人が死亡し、約150万人に影響が出た。また、同国史上最悪の被害を出した2010年の洪水では約1800人が死亡、2100万人に影響が及んだ。(c)AFP