コンテ監督の契約をプーマ社が一部負担することに批判殺到
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【8月16日 AFP】イタリアの国内メディアは15日、イタリアサッカー連盟(Italian Football Federation、FIGC)がキットパートナー契約を結ぶ独スポーツ用品大手プーマ(Puma)が、同国代表チームの新監督に就任したアントニオ・コンテ(Antonio Conte)氏の契約の一部を負担することで、同氏には歴代監督の誰よりも多くの報酬が支払われると報じ、その契約に疑問を呈した。
先日までイタリア・セリエAのユベントス(Juventus)を率いていたコンテ氏は、14日にイタリア代表の新監督に就任し、2年契約を結んでいるが、推定320万ユーロ(約4億3200万円)と報じられているコンテ氏の年俸の半分以上は、プーマ社が負担することになっている。
コンテ氏はまた、現在世界ランク14位につけるイタリア代表を同ランク8位以内に入れるか、2016年に開催される欧州選手権(UEFA Euro 2016)でチームを決勝に導くことができればボーナスが支給され、報酬額をさらに引き上げることができる。
コンテ氏は19日にローマ(Rome)市内で監督就任会見に臨む予定となっており、そこで契約内容の詳細が明らかにされるとみられている。
伊紙コリエレ・デラ・セラ(Corriere della Sera)は、「コンテ:最高であり、最高額だ」と報じ、これまでチームを率いた歴代監督にはなかったカリスマ性を持つコンテ氏の起用は、「当然で最高の選択だ」と伝えた。
コンテ氏は昨季まで指揮を執ったユベントスをリーグ3連覇に導いており、これはクラブが1930年代に達成した5連覇以来の快挙となっている。
しかし、プーマ社がコンテ氏の契約に関与したことにより、スポンサーが大きな影響力を行使する可能性があるとして、FIGCは多方面から批判を浴びている。
伊紙レプブリカ(La Repubblica)は、コンテ氏とカルロ・タベッキオ(Carlo Tavecchio)会長に対し、「自分の年俸を負担するスポンサーと契約する選手と、どのように仕事をするのか?」と質問している。
「監督の契約を更新することになれば、最終的な決定権は一体どこにあるんだ?タベッキオ会長なのか?それともプーマ社が人事を握っているのか?」
伊紙スタンパ(La Stampa)は、「スポーツはつねに道徳的模範を求められている。しかし、イタリアサッカー界はこの夏、商業的利益の干渉に対処しなければならない」と警告している。
スタンパ紙は、スポンサーから多額の報酬を手にする監督が、「ほかのスポンサーと契約している選手よりも、同じブランドの選手を優先する」懸念があると伝えている。
コンテ氏には、かつて指揮を執っていたシエナ(AC Siena)で八百長に関する情報を知りながらも提供しなかったとして告発され、2012年8月に10か月の資格停止処分を科された過去があり、その後、処分は4か月に短縮されたものの、2012-13シーズンの前半を棒に振っている。(c)AFP