【8月12日 AFP】五輪と世界選手権で男子5000メートルと1万メートルの2冠を達成したモハメド・ファラー(Mohammed Farah、英国)は11日、英グラスゴー(Glasgow)で行われた2014年コモンウェルスゲームズ(2014 Commonwealth Games、英連邦競技大会)を欠場した理由について、バスルームで転倒して気絶し、4日間入院したためだったことを明かした。

 31歳のファラーは、欧州陸上競技選手権(European Athletics Championships 2014)で1万メートルと5000メートルに出場するため、開催地であるスイスのチューリヒ(Zurich)に到着すると、コモンウェルスゲームズの欠場理由についてすべてを説明した。

 4月に行われた第34回ロンドン・マラソン(34th London Marathon)で、初マラソンに挑戦し失意の8位に終わったファラーは当初、コモンウェルスゲームズ欠場の理由を、体調不良による調整不足としていたが、英国放送協会(BBC)のインタビューで、「欠けていた歯から感染症にかかったため、抜歯した」という事実を明かした。

「少し痛みを感じながらも走りに行って、戻ってくるや否やバスルームで転倒し、完全に気絶してしまった」

「意識が戻ると、ポケットに入っていた携帯電話で練習パートナーのキャメロン・レヴィンス(Cameron Levins)に連絡しました。彼はカナダ人で、コモンウェルスゲームズの1万メートルで銅メダルを取った選手です。彼が駆けつけて、ベッドに運んでくれました」

「腹部に激痛が走った。彼が救急車を呼んでくれて、病院に搬送されました。そして、心臓に異変が生じたと診断され、大きな病院にヘリで運ばれたのです」

「とにかく大変でした。4日間入院し、怖い思いをした。こういうことは起こり得るのです」

「このため、走る時間が大幅に削られてしまいました。練習に復帰して、何としてもコモンウェルスゲームズに向けて調整したいと思いました。ファンの皆さんや、大会のチケットを購入してくれた人たちを失望させたくありませんでしたが、調整が間に合わず出場には程遠い状態だったのです」

(c)AFP/Simon Turnbull