【7月29日 AFP】世の父親たちにとって、自分の娘は王女様のような存在だ。だが、米バージニア(Virginia)州アビンドン(Abingdon)に暮らすエミリー・ヒートン(Emily Heaton)ちゃんが数か月前にプリンセスになりたいと話すと、父親のジェレマイア(Jeremiah Heaton)さんはすぐさま娘の「王国」を見つけてあげた。

 ジェレマイアさんは、娘が7歳の誕生日を迎えた先月16日、エジプトとスーダンの国境にある誰も住んでいない土地の一画に旗を立てた。「北スーダン王国(Kingdom of North Sudan)」の誕生だ。

 ジェレマイアさんは、王国の領地と主張できるような所属未確定の領土を探し始めた。インターネット上で検索を続けた末に探し当てたのが、エジプトとスーダンの国境地帯の砂漠に位置し、国境線画定交渉の行き詰まりで長年にわたり放置されていた数百平方キロの無住地ビルタウィール(Bir Tawil)だった。

 ジェレマイアさんによると、旅の総費用は3000ドル(約30万円)以下だったという。一方のエミリーちゃんは「自分の」領土の使い道についての壮大な計画を語ってくれた。

「私たちは食べるものがないアフリカの子どもたちを助けようと思っているの。土地いっぱいに菜園をつくるつもりなの」

 ジェレマイアさんは、資金調達サイト「キックスターター(KickStarter)」を利用したキャンペーンや、賛同する諸外国政府からも資金を集め、炭素排出量の少ない農業を展開したいと思いめぐらせている。