【7月23日 AFP】独バーデン・ビュルテンベルク(Baden-Wuerttemberg)州の裁判所で、インドの密教に由来するタントラマッサージ(Tantra)は性的な快楽をもたらすものであり、売春宿など性的サービス業と同様の「遊興税」が適用されるとの判断が下された。

 昨年11月、州都シュツットガルト(Stuttgart)にあるタントラマッサージ店のオーナーは2012年1、2月に総額840ユーロ(約11万5000円)を「遊興税」として徴収されたことを不服として訴訟を起こしていたが、州行政裁判所は21日に公開した3日付の判決文のなかで、同店のマッサージは「性的快楽を得る機会を提供する」サービス業と同じ税を適用すべきものだとの判断を下した。

 マッサージ店のオーナーはタントラマッサージについて、性器周辺のマッサージも含まれるが施術の主な目的は性的快楽にはなく「遊興税」の課税対象にはあたらないと主張していた。オーナーによれば、タントラマッサージの主眼は「ホリスティックな幸福と自己認識」をもたらすことにあるという。


 だが裁判所は、同店では性器周辺のマッサージには特別施術料を徴収していると指摘し、同店のサービスは事業規模に従って算出される遊興税の対象となるとした。さらに、オーナー側の「遊興税の適用対象は、売春関連施設のみ」との主張も却下した。

 判決に不服がある場合、オーナーは連邦裁判所に上訴することができる。

 タントラマッサージは、インド古来の伝統的な儀式にのっとったエロティックな全身マッサージ。(c)AFP