【6月25日 Relaxnews】自動運転車なんて大したことはない──ドイツの科学者たちは「心が制御する飛行機」の開発を順調に進めている。

 1982年にクリント・イーストウッド(Clint Eastwood)監督によって映画化された、クレイグ・トーマス(Craig Thomas)の77年の小説『ファイアフォックス(Firefox)』には、パイロットが想像するだけで操縦できるロシアの戦闘機が登場する。

 このSF映画のプレミア上映から32年、その技術がまさに科学的現実になろうとしている。電極の付いたキャップをパイロットの頭に装着して脳波を読み取り、その脳波を命令信号に変換して機体を操縦する。ミュンヘン工科大学(Technische Universität München)とベルリン工科大学(TU Berlin)の共同研究チームは、集中するだけで飛行機を飛ばすことが単なる可能性ではないことを証明した上、驚くほどの正確さで操縦できることも示した。

 実験は被験者7人を対象に、特別仕様のフライトシミュレーターを用いて行った。被験者には、飛行機を操縦することはおろかコックピットに入ったことすら無い1人を含む、さまざまな飛行経験を持つ人たちが選ばれたが、被験者たちはただ操縦を想像するだけで、パイロット免許の要件を満たすのに十分な精度で演習を終了した。

 この研究は欧州連合(EU)が資金を提供する「ブレインフライト(Brainflight)」プロジェクトの一環で、多くの人が飛行機を飛ばせるようになることを目的の一つとしている。(c)Relaxnews/AFPBB News