【6月23日 AFP】その能力と実績で世界的な評価を得ている英国陸軍だが、兵士たちがやや軟弱になっている可能性を示す最新データが22日、発表された。

 英国防省のデータによると、3万2000人以上の兵士が、過去3年の間に行われた基礎体力テストで不合格となり、2万2000人以上が太りすぎで健康上の問題を引き起こすリスクが高いことが分かった。

 英国陸軍のすべての兵士は、年に2回の個別の体力評価を受けることを義務付けられており、不合格者は7日以内に再テストを受けなければならない。不合格が複数回の場合には、除隊処分になる可能性もある。

 29歳未満の男性兵士の場合は、腕立て伏せを2分間で44回行った後、腹筋を2分間で50回行い、さらに10分半以内に2.4キロを走らなければならない。

 女性兵士はそれよりもやや軽く、腕立て伏せ21回と腹筋50回の他、男性と同じ距離を13分以内に走ることが求められる。また、年齢がさらに上の兵士には、ゆるい規則が設けられている。

 英日曜紙「サンデー・タイムズ(Sunday Times)」が入手したこのデータによると、2011年4月から2014年3月までの間に男性兵士2万9600人、女性兵士2819人が体力テストで不合格となった。

 英国防省は声明で、「この人数は、同期間に陸軍に在籍した全兵士の11%にあたり、不合格となった者の多くはその後の再テストで合格する」と説明した。

「全兵士が、陸軍が定める体力基準を満たすために必要なサポートとトレーニングを受けており、その基準を満たせなかった者には、さらなる支援が提供されている」とし、「基準を満たすことができない兵士は、最終的に除隊処分となる可能性もある」と述べた。

 サンデー・タイムズ紙はさらに、2万2000人以上の兵士は、体力の低下などによって2型糖尿病や高血圧、心臓疾患などのリスクが増加傾向にあることも明らかにしている。

 同紙はこの記事に、「戦うには太りすぎ」との見出しをつけ、多くの兵士の「驚愕の食生活」を非難する軍高官の話を引用した。

 この高官は、「サラダや低カロリーの食事を取ることができる一方で、調理された朝食を食べ、昼食や夕食にはチップスとこってりしたプディングをたいらげることもできる」と語った。

 同紙は、この体力テストに関するデータには、イラクやアフガニスタンで負傷した兵士や、病気やけがを治療中の兵士は含まれていないとしている。(c)AFP