「アクアポニックス」で新鮮な食品を都市部へ、独企業
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【5月28日 AFP】ドイツ・ベルリン(Berlin)にある新興企業は、アステカ帝国や遙か昔の中国で行われていた、魚の養殖と野菜の栽培を組み合わせた「アクアポニックス」手法を用いて、21世紀の都市生活者に食料を供給したいと考えている。
れんが造りの古い醸造所跡に設立されたECF(Efficient City Farming)では、魚のふんを肥料に用いる昔ながらの農法で、トマト、トウガラシ、葉物野菜などを小型の栽培容器で育てている。
2年前に共同経営者とともにECFを設立したニコラス・レシュケ(Nicolas Leschke)氏は「わが社の構想は、都市生活者が持続可能な方法で生産された農産物を入手できるようにすることだ」と語る。
アクアポニックスは、植物を土を使わずに栽培する水耕栽培と、魚を水槽で飼育する水産養殖の技術を組み合わせた手法として知られている。
この手法では、食物を遠く離れた地方ではなく、都市部で直接生産できるため、「農産物の保存・輸送にかかる環境面・金銭面での負担が軽減される」とレシュケ氏はAFPの取材に語った。
「そして忘れてはならないのは、新鮮な生産物の入手が約束されることだ」と同氏は、自社栽培のフダンソウをつまみながら付け加えた。フダンソウは地中海料理でよく使われる緑葉野菜の一種。
ECF社内には、下部に魚を飼育する水槽、上部に野菜を栽培する小型温室を備えた2段階構成のコンテナ農場が試作品として設置されている。
観賞用の水槽と異なる点は、魚の排せつ物のアンモニアを硝酸塩に変換するバクテリアを用いた特殊なフィルターを備えているところだ。
硝酸塩を多く含む水はポンプでくみ上げられ、植物が栽培されている温室内で土の代わりに使われているミネラル豊富な流水の水耕槽に注がれる。
アクアポニックスは、人が密集する地域で農業・養殖を行うのに最適な手法だ。現在、世界人口の半数が都市部で生活しており、都市化がますます進行している今の時代にあって、この点は注目に値する。
アクアポニックスでは、水が魚と植物の両方に使われるため、従来型の農業ほど水を大量に必要としない。さらに、魚のふんに含まれる二酸化炭素は、植物の栄養素として再利用される。