【2月24日 AFP】仏ブルゴーニュ(Burgundy)地方の裁判所で24日、有機栽培のブドウ畑を経営するワイン醸造家の男性が、政府の命令に従わずに農薬の使用を拒んだことをめぐる裁判が開かれる。

 ブルゴーニュ地方のワイン生産地、コート・ドール(Cote d'Or)でブドウ畑を経営するエマニュエル・ギブロー(Emmanuel Giboulot)さんは、伝染病の原因である害虫の定期的な駆除を命じる地元の指示に従わなかったとして、農業省の管理機関から追及されている。

 この伝染病は1949年、仏・南西部のアルマニャック(Armagnac)地方で初めて確認されて以降、コニャック(Cognac)、ラングドック(Languedoc)、南北ローヌ(Rhone)、ロワール・バレー(Loire Valley)、ボルドー(Bordeaux)などのワイン生産地に徐々に広がっている。

 この伝染病に感染すると若いブドウの木は枯れ、古い木でも生産性は著しく低下するが、現在のところ治療法はない。

 ブルゴーニュ地方ではボーヌ(Beaune)で病気が確認されたことを受けて、地元の行政局は昨年6月、コート・ドール地域の全てのブドウ園オーナーに対してブドウ畑に農薬を散布するよう命じた。

 しかし、ギブローさんはその命令を断固拒否。ブルゴーニュワインの名産地として知られるコート・ドール地域南部コート・ドボーヌ(Cote de Beaune)に所有する10ヘクタールのブドウ畑に農薬を散布しなかった。ギブローさんは、命令に従えば、これまでの父親の功績を台無しにしてしまうと主張している。

 ギブローさんは、昨年7月に地元の農業当局の検査を受けた後に起訴され、現在、最長6か月の禁錮刑と3万ユーロ(約420万円)の罰金が科される可能性がある。

 一方で、ギブローさんの抵抗は、国際環境保護団体グリーンピース(Greenpeace)や、フランソワ・オランド(Francois Hollande)仏大統領率いる社会党と連立政権を組んでいるヨーロッパエコロジー・緑の党(EELV)などからの支持を得ている。

 環境活動家らは地元当局に対し、農薬の使用を一律に命じるのではなく、伝染病の監視、感染したブドウの木の除去、農薬の使用義務を危険にさらされている地域に制限することを求めている。

 一方の地元当局は、ギブローさんを虐げているわけではなく、地域全体のブドウ畑を救うために農薬を使用する措置は必要不可欠だと主張している。ブルゴーニュ当局によると、伝染病によりブドウの木を除去せざるをえないほど深刻な影響を受けた畑の総面積は、2013年に0.2ヘクタールで、2年前の11.3ヘクタールから減少していると主張している。

 また、地元のワイン生産者らを代表するブルゴーニュワイン委員会(Burgundy Wine Board)のクラウド・シュバリエ(Claude Chevalier)氏は、農薬散布は自然環境の汚染につながるものではないとし、散布を実施している地元醸造家らを弁護した。(c)AFP/Marjorie BOYET, Pierre PRATABUY