【4月28日 AFP】中国北部で、100匹ほどの野良犬が当局によって生きたまま埋められた疑いが浮上し、国内に衝撃が走っている。地元当局は27日、この件に関する調査を開始したことを明らかにした。

 疑惑のもととなったのは、23日にインターネット上に投稿された写真で、深さ約1.8メートルの巨大な穴に入れられた多数の野良犬が写されている。内モンゴル(Inner Mongolia)自治区に本部を置く慈善団体「銀川曙光ペットの家(Yinchuan Dawn Pets Home)」は、この穴がその後、地元当局によって埋められたと主張している。

 同団体は、モンゴルとの国境付近にあるアルシャー盟(Alxa League)のごみ集積場近くで飼い犬を探していた女性が、穴に入れられた野良犬たちを23日に見つけたと話したことから、調査を開始。翌日に現場を訪れたところ、穴は既に埋められた後だったという。

 同団体でボランティアとして働くファンさんがAFPに語ったところによると、同団体は25日に再度現場を訪れたが、死んだ犬はすでに別の場所に移されたようだった。同団体は、「城管(Chengguan)」の通称で呼ばれる城市管理行政執法局が、犬を生き埋めにするという残酷な行為を隠ぺいしようとしたのだと主張している。

 ファンさんによると、掘削機を使って現場を掘ったところ、死んだ犬が6匹見つかった。犬の口や鼻には土が詰まっており、死骸は同団体が現場に到着する前に掘削機による損傷を受けていたことから、「われわれが現場に到着する前に、地元の城管当局が犬の死体を別の秘密の場所に移したようだ」とファンさんは話している。

 一方の地元城管当局の職員は、この疑惑を否定した上で、この件に関しては現在調査中だとしている。