「ゼンタイ」フェチ ― 全身タイツに魅了された人々
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ゼンタイには性的な魅力があると感じる人もいる。
教師のねずみこさん(36)は、「私にはほかの人と触れ合うのが一番の魅力」と語る。「着ちゃえば関係ない。人間は見ている情報が多いけど、それが(ゼンタイを着ると)ほとんど見えない状態になる。本当に触覚が全てになる」「私はレズビアンではないけれど、女性と絡んでいてもいい。ストレートなセックスとは求めるものが違う」
■容姿を「消し去る」ことで本当の自分に
社会心理に詳しい東京未来大学(Tokyo Mirai University)の大坊郁夫(Ikuo Daibo)学長はゼンタイ愛好家について、普通とは違った方法で自己表現をするために集まっているようだと考えている。
「(戦後の)日本では何をモデルにして生きていったらいいのかわからないということが多い。みんな人生モデルがいっぱいありすぎて、どれを選べばいいか、ということがいまだにつづいている」
大坊学長によれば、ゼンタイ愛好家らは自分の外見を消し去ることで安らぎを得ており、ゼンタイを着ることで、外見で判断されるのではなく、ありのままの自分を知ってもらえると感じているのだという。
「自分自身のアイデンティティーを隠しながら、実はもっと深いところにある本音、自分を出そうとしている。そういう意味では非常に興味深いコミュニケーションの仕方だと思う」