【4月16日 AFP】ナイジェリア北東部ボルノ(Borno)州の学校で14日、イスラム過激派組織「ボコ・ハラム(Boko Haram)」の重武装集団が、女子生徒100人以上を拉致する事件があった。治安筋や目撃者らが15日、明らかにした。

 目撃者らの話によると、武装集団は同州チボク(Chibok)地区にある政府の女子中等教育学校(日本の中学・高校に相当)を日没後に襲撃。複数の建物に放火した上で、校舎の警備に当たっていた兵士や警察官らに向かって発砲を開始したという。

 事件後に州都マイドゥグリ(Maiduguri)に避難した同地区の教育関係者によると、警備担当者らを制圧した武装集団はその後、校舎内に侵入。複数の目撃者が語ったところでは、武装集団は生徒らを複数のトラックに乗せて連れ去ったという。

 匿名を条件に取材に応じた治安当局者によると、拉致された少女らの数は100人を超えており、ボコ・ハラムの犯行とみられるという。「ボコ・ハラム」には「西洋の教育は罪」という意味がある。同当局者はAFPに対し、「われわれは1台のトラックの進路をたどることができ、森の奥深くで故障しているのが見つかった」と明かし、「目下、拉致された少女らの行方の特定を急いでいる」と話した。

 前例のないこの集団拉致事件が起きたのと同じ日の朝には、首都アブジャ(Abuja)近郊の混雑したバス停で爆弾が爆発し、首都で起きた攻撃の犠牲者としては過去最悪の75人が死亡する事件が発生したばかりだった。グッドラック・ジョナサン(Goodluck Jonathan)大統領は、同事件をボコ・ハラムの犯行と断定している。

 これらの事件では、ボコ・ハラムが地方部では大規模な襲撃、大都市の中心部では激しい爆弾攻撃を実行する能力を持つことが示され、アフリカ最大の人口を抱える同国で同組織が深刻な脅威となっていることが改めて浮き彫りになった。(c)AFP