■訴える側に有利な法制度

 パキスタン最高裁のフェイサル・ナクビ(Feisal Naqvi)弁護士はAFPに対し、警察の調書で容疑者の家族を連座させるのは、何らかのトラブルをめぐって対立する利害関係者が被害届を出す際に、相手方に圧力をかける目的でよく使われる手だと説明した。赤ちゃんまで含まれることは珍しいが、一家が同罪とされることはよくあるという。

 一方、元警察所長のショエイブ・サドル(Shoaib Suddle)氏によれば、パキスタンでは、英国植民地時代に定められた「ファースト・インフォメーション・レポート(First Information ReportFIR)」と呼ばれる申立書の提出によって被害を訴え出るが、申立人の主張が必要以上に強調される傾向があるという。

 被害を訴える際、申立人は、訴えられた側が証拠がなくとも身柄を拘束され、取り調べが始まることを要求するという。(c)AFP/Waqar Hussain