【4月5日 AFP】アフガニスタンで5日、ハミド・カルザイ(Hamid Karzai)大統領の後任を選ぶ大統領選の投票が行われた。同国の旧支配勢力タリバン(Taliban)が暴力行為で選挙を妨害するとしていた上、雨が降り気温も低いというあいにくの天気にもかかわらず、全国各地に設けられた約6000か所の投票所に多くの人が列を作った。

 投票時間は午前7時(日本時間午前11時30分)から午後4時(同午後8時30分)までの予定。有権者は約1350万人。

 この選挙でアフガニスタンとしては初めて民主的に政権が代わる。憲法で3選が禁じられているカルザイ大統領は首都カブール(Kabul)で投票し、「アフガニスタン国民として誇りに思う。今日はわが国の将来にとって重要な日だ。アフガニスタン国民には雨にも、寒さにも、敵の脅迫にも負けず投票に行って…わが国を成功に向けて一歩進めさせてほしい」と述べた。

 カルザイ大統領は大統領選で中立を守り、自由で公正な選挙が行われるよう監督するという姿勢を示していた。また、大統領退任後は一国民として生きるという考えを示していたが、今後も強い政治的影響力を持つとみられる。

 タリバンは大統領選を外国の策略だとして、選挙職員や有権者、警備にあたる治安部隊などを攻撃するよう配下の戦闘員に命じていた。しかし投票開始後の数時間に起きた事件は、カブールの南に位置するロガール(Logar)州の投票所が設置されていた学校で起きた爆発の1件にとどまっている。この爆発で1人が死亡、2人が負傷した。

 今月2日にカブールで警察官6人が死亡する自爆攻撃が発生するなど、今回の選挙では治安の確保が大きな課題となっていた。モハマド・オマル・ダウドザイ(Mohammad Omar Daudzai)内相によると、全国で警察官、兵士、情報機関職員の40万人が治安対策に動員された。

 ザルマイ・ラスール(Zalmai Rassoul)前外相、アブドラ・アブドラ(Abdullah Abdullah)元外相、アシュラフ・ガニ(Ashraf Ghani)元財務相が有力だとみられている。投票結果は今月24 日に発表されるが、得票率が当選に必要な50%を超える候補者はいないとみられており、その場合は5月末に決選投票が行われる。(c)AFP