■とどめを刺したケイヒルの追加点

 その後、前半の中盤にはフランク・ランパード(Frank Lampard)が追加点の好機を迎えたが、またしてもオスカルとアザールの上手い連携から放ったランパードのシュートは、ムスレラを破ることはできなかった。

 ランパードはその埋め合わせをするべく、FKから主将のジョン・テリー(John Terry)に合わせたが、至近距離からのテリーのボレーシュートはわずかにクロスバーを越えた。

 一方、公式戦最近23試合でわずかに1敗しかしていないガラタサライだが、ドログバはまったく印象を残すことができなかった。

 ドログバの蹴り損ねたFKがGKペトル・チェフ(Petr Cech)の守るゴールをはるかに越え、「レジェンド・ドログバ」と書かれた旗に当たった場面では、ロベルト・マンチーニ(Roberto Mancini)監督が指揮を執るガラタサライの低調なプレーぶりが完璧に要約されていた。

 そしてハーフタイム3分前にガラタサライの状況はさらに悪化し、チェルシーが事実上、試合を終わらせた。

 CKからテリーが強烈なヘディングシュートを放つと、ムスレラは何とかこれをはじいたものの、目の前にこぼれてきたボールをケイヒルが至近距離からネットに突き刺した。

 マンチーニ監督は、以前から険悪な仲のモウリーニョ監督との和解を目指し、試合前日にはガラタサライが勝てばモウリーニョ監督と夕食に行くと語っていた。

 しかし、モウリーニョ監督は試合前にその誘いをあっさり断ると、試合中もマンチーニ監督に対してやり返す機会をまったく与えず、チェルシーが悠々と試合を進めて後半を乗り切った。(c)AFP/Steven GRIFFITHS