【3月19日 AFP】サッカー欧州チャンピオンズリーグ2013-14(UEFA Champions League 2013-14)は18日、決勝トーナメント1回戦の第2戦が行われ、チェルシー(Chelsea)が2-0でガラタサライ(Galatasaray)に勝利し、2戦合計スコア3-1で準々決勝進出を決めた。

 その一方で、元チェルシーのディディエ・ドログバ(Didier Drogba)は、スタンフォード・ブリッジ(Stamford Bridge)への帰還を勝利で飾ることはできなかった。

 2012年に退団して以来、初めてスタンフォード・ブリッジでの試合に臨んだドログバだったが、ジョゼ・モウリーニョ(Jose Mourinho)監督が率いるチェルシーは感傷にとらわれることなく、サミュエル・エトー(Samuel Eto'o)とギャリー・ケイヒル(Gary Cahill)が得点を決め、前半のうちに8強入りを確実にした。

 これで21日に抽選が行われる準々決勝へと駒を進めたチェルシーは、アストン・ビラ(Aston Villa)戦で生じたチームへの不安も沈めている。15日のアストン・ビラ戦で、チェルシーはウィリアン(Willian Borges da Silva)とラミレス(Ramires Santos do Nascimento)が退場し、さらにモウリーニョ監督も退席処分となった末、0-1で敗れるという失態を演じていた。

 ドログバにとって、試合前に受けたあふれんばかりの温かい歓迎は大切な思い出になるだろうが、試合そのものはそこまで気持ちよく振り返ることはできないかもしれない。2月にイスタンブール(Istanbul)で行われた第1戦では1-1の引き分けに持ち込んでいたガラタサライだが、この試合ではほとんど良いところがなく、チェルシーに屈した。

 2012年に行われた欧州チャンピオンズリーグ決勝のバイエルン・ミュンヘン(Bayern Munich)戦で、勝利を決める最後のPKキッカーを務め、チェルシーの英雄となったドログバは、試合前の練習中に銀のシューズを送られ、古巣のファンから盛大な歓迎を受けた。

 さらに36歳のドログバは、試合開始直前にはわざわざモウリーニョ監督の下へ向かうと、かつての恩師の頬にキスをした。

 しかしながらドログバにとっての見せ場はそこまでで、試合ではもう1人のベテランがスポットライトを浴びた。

 先日、自身の年齢を疑うかのようなモウリーニョ監督のコメントが話題になったエトーは、少しばかり腹を立てても許されるはずだが、実際は傷ついていたとしても、それを引きずる様子を表に出してはいない。

 33歳のエトーは、今季のチェルシーで唯一頼りになるストライカーとなっており、この試合でも開始4分に先制点を決め、キャリアの晩年が近づくなかでも力を維持していることを証明した。

 先制点の場面ではエデン・アザール(Eden Hazard)の見事なテクニックが起点となり、トラップから反転して相手選手のマークを外すと、ペナルティーエリアの右に流れたオスカル(Oscar dos Santos Emboaba Junior)へパスを送った。

 オスカルは走り込んだエトーにすぐさまボールを折り返し、エトーはこの好機を逃さず、ワントラップからGKのフェルナンド・ムスレラ(Fernando Muslera)に触られながらも低いシュートをファーサイドに決めた。

 エトーの今季10得点目に触発されたのか、すぐさまドログバも反撃し、ペナルティーエリア端から大胆なオーバーヘッドキックを狙ったが、これはクロスバーの上に大きく外れた。