■乗員らに向けられる厳しい目

 警察が、副操縦士をはじめとするMH370便のその他の乗員の家宅捜索を実施したかどうかは、今のところ明らかになっていない。ただ、副操縦士の経歴や私生活についてはすでに、厳しい視線が注がれている。

 オーストラリアのテレビ局は、2011年にタイ・プーケット(Phuket)発マレーシア・クアラルンプール(Kuala Lumpur)行きの便に搭乗した際、ファリク副操縦士と同僚の操縦士が操縦室に招き入れてくれたという南アフリカの若い女性のインタビューを放送した。

 米同時多発テロ事件以降、乗客が飛行中に操縦室に入ることは禁じられており、マレーシア航空はこの報道を受け、「ショックを受けた」と述べている。ただし、この女性の主張の真偽は確認できなかったとしている。

 マレーシア公共事業省・公共事業局の高官の息子であるファリク氏は、20歳のときにマレーシア航空に入社した。自宅に近く、ファリク氏が定期的に通っていたというクアラルンプール近郊のモスクのイマム(宗教指導者)は同氏について、温厚な「良い青年」だったと話している。

 一方、はるかに熟練した操縦士であるザハリ機長は1981年に同航空に入社。飛行時間は1万8365時間に達している。マレーシアの国内メディアは、ザハリ機長は、同国の民間航空当局からフライトシミュレーターによる操縦士試験の試験官として認定されていたとともに、同僚たちから「卓越した操縦士」と呼ばれていたと伝えている。(c)AFP/Giles HEWITT