【3月15日 AFP】マレーシア当局は14日、消息を絶ったマレーシア航空(Malaysia Airlines)MH370便の広大な捜索範囲をさらに大幅に拡大すると発表し、8日未明に同機が消えてから1週間が過ぎた今も、苦渋に満ちた空の謎の解明には程遠い状況だと認めた。

「各国と協力して捜索範囲は、東は南シナ海(South China Sea)から(西は)インド洋(Indian Ocean)にまで及んでいる」とマレーシアのヒシャムディン・フセイン(Hishammuddin Hussein)運輸相代理は語ったが、MH370便の行方に関する新しい情報の発表はなかった。

 だが14日、MH370便が消えて数時間後に同機の信号を、英ロンドン(London)に拠点を置く衛星通信事業者インマルサット(Inmarsat)が探知していたと報道された。

 英国放送協会(BBC)は、「インマルサットがMH370便から自動的に送信された信号を同機が消息を絶ったと報告されてから少なくとも5時間後に受信していたとBBCは考えている。この信号は同機が無傷で動力がある場合にのみ送信できるものだ。このため捜索範囲がインド洋に広げられたものと思われる」と伝えた。

 米海軍当局者はAFPに対し、最新の一連の情報を調べるためミサイル駆逐艦キッド(USS Kidd)がインド洋に向けて派遣されたと語った。国防総省のスティーブン・ウォレン(Steven Warren)報道官は14日、キッドはアンダマン海(Andaman Sea)とベンガル湾(Bay of Bengal)を捜索する準備をしているところだと述べた。

 インド海軍当局は、マレーシアから捜索をさらに西のベンガル湾に広げ、インド南東部のアンダマン・ニコバル諸島(Andaman and Nicobar Islands)の中心都市ポートブレア(Port Blair)の西900 キロの海域で捜索を行うよう要請されたと明らかにした。アンダマン海ではすでにインドの艦艇6隻と航空機5機が捜索を実施している。(c)AFP/Dan Martin