【3月13日 AFP】地球内部のマントルに大量の水が貯蔵されていることを示す希少鉱物を発見したとの研究が12日、発表された。英科学誌ネイチャー(Nature)に掲載された論文によると、地表から深さ400~600キロメートルの層に、地球上の全海洋水に匹敵する膨大な水が蓄えられている可能性があるという。

 研究チームが「巨大地下水脈」の証拠として示したのは、水を多く含む性質を持つ鉱物「リングウッダイト」だ。このほど、地球の上部マントルと下部マントルの間に挟まれた「マントル遷移層」に由来するリングウッダイトが見つかったとしている。

 分析によると、見つかったリングウッダイトは成分の実に1.5%を水分子が占めているという。

「このサンプルは、地底深くに水を含んだ場所が局所的に存在するという極めて強い確証を与えるものだ」と、研究チームを率いたカナダ・アルバータ大学(University of Alberta)のグレアム・ピアソン(Graham Pearson)氏は説明した。

 マントル遷移層に水が貯蔵されているという説はこれまでにも提示されてきた。しかし、地底深くのサンプルを採取する技術がないため、鍵を握る鉱物であるリングウッダイトは今まで隕石(いんせき)からしか見つかっていなかった。