【3月6日 AFP】韓国のソウル放送(SBS)で放送中の人気恋愛リアリティー番組「チャク(Jjak、相棒)」に出演していた女性(29)が撮影現場で自殺していたことが判明し、テレビ局に批判が殺到している。

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 この女性は、1週間の予定で番組撮影が行われていた韓国南部にある済州(Jeju)島のゲストハウスで5日、遺体で発見された。警察によるとドライヤーのコードで首をつったとみられ「もう生きていたくない」との遺書が残されていたという。

「チャク」は、約10人の男女が1つ屋根の下で1週間生活する様子を、テレビカメラと監視カメラで撮影し紹介する週1レギュラー番組。出演者は番組が用意したおそろいの服を着て過ごし、デートする権利をかけてさまざまなことにチャレンジした後、最後にパートナーを選ぶという内容だ。

 韓国紙・東亜日報(Dong-A Ilbo)は、番組出演中にいじめられたり中傷されたりしたと感じたことがあるとの過去の出演者のインタビューを伝えた。

 一方、中央日報(JoongAng Ilbo)によると、死亡した女性は母親への最後の電話で、番組が放送されたらもう韓国には暮らせなくなると話していたほか、友人にも番組プロデューサーが自分を人気のない「かわいそうな女の子」として描こうとしていると不満を漏らしていたという。

 朝鮮日報(Chosun Ilbo)は、女性が友人に宛てたメールで、プロデューサーが「私が1人でいるシーンばかりを撮影して、成立したカップルを目立たせようとしている」と訴えていたことを伝えている。

 SBSは5日に予定されていた番組の放送を中止し、視聴者と死亡した女性の家族への謝罪を発表したが、女性の死には直接の責任はないとの立場を示している。(c)AFP