【3月5日 AFP】東南アジア原産の「侵略者」によって、フランスの名物料理の1つエスカルゴがメニューから消える可能性がある──4日のオンライン学術誌「PeerJ」に発表された研究論文が警鐘を鳴らした。

 論文が警告を発しているのは、ニューギニアヤリガタリクウズムシ(学名:Platydemus manokwari)と呼ばれる食欲旺盛な扁形(へんけい)動物だ。

 すでに「世界の侵略的外来種ワースト100」リストに掲載されているニューギニアヤリガタリクウズムシは、導入された場所で在来種のカタツムリやミミズを容赦ない食欲で食べ尽くしてしまう。

 仏ノルマンディ(Normandy)地方のカン(Caen)にある植物園職員らは、温室植物の中に浅黒い体色の薄くて平らな見慣れない「ぬるぬるとした生物」を発見し、専門家の支援を要請した。

 DNA検査の結果、この生物はニューギニアヤリガタリクウズムシであることが分かった。論文を発表した仏国立自然史博物館(National Museum of Natural History)などの専門家チームは「ニューギニアヤリガタリクウズムシが欧州に侵入した」という最悪の懸念が確認されたと述べている。

 同博物館のジャン・ルー・ジャスティン(Jean-Lou Justine)氏は「この生物種は、侵略性が異常に高い」として「最も初期の段階で阻止できることを切実に望んでいる」と述べ、「欧州のカタツムリは全滅する恐れがあるだろう。皮肉に聞こえるかもしれないが、このことがフランス料理に及ぼす影響は指摘に値するものだ」と付け加えた。