■カタツムリを食べ尽くした後はミミズも

 ニューギニアヤリガタリクウズムシは、体長が約5センチで胴の幅は5ミリほど。背は濃いオリーブ色で、青白色の腹部に口がある。細長い頭部には突き出た黒い目が2つある。これまでに15以上の太平洋の国々と地域で見つかっているが、中には意図的に導入されたケースもある。

 生物学者らは、この生物のカタツムリに対する旺盛な食欲に危機感を募らせている。

 腹足類を追って木の幹を這い上がることもでき、カタツムリを食べ尽くした後は、他にもミミズなどの土壌に生息する生物種を襲って食べることもある。

 ニューギニアヤリガタリクウズムシはもともと、ニューギニア島の高度3000メートル以上の気温があまり高くない山地に生息していた。気温が10度に下がっても生存できることが調査で明らかになっており、カタツムリの生育に適した欧州の温暖な地方でこの虫が生き延びる可能性は高い。

 査読学術論文を発行するPeerJ誌は「ニューギニアヤリガタリクウズムシは、フランスと欧州の生物多様性に対して新たに重大な脅威をもたらすものだ。同地域には数百種ものカタツムリが生息しており、その一部は絶滅危惧種で保護の対象になっている。この扁形動物の根絶と抑制の実施を検討することは重要だ」と述べている。(c)AFP