■全ての性犯罪は等しく扱われるべきか?

「一度(性犯罪者リストに)登録されると、一生消えない」とパワーズさんはいう。「たとえ死んでも、登録されっぱなしだ」。子どもに性的いたずらをしたことに対する当然の罰かもしれないと認めてもいる。だが、若い性犯罪者には、別の規則が適用されるべきだとパワーズさんは考えている。

 最近ミラクルビレッジに住み始めたマシュー・リッチー(Matthew Richey)さんは19歳だ。当時15歳だった恋人と性的関係を持ったとき、リッチーさん自身も未成年だった。

 リッチーさんは自分の名前がレイプ犯や小児性愛者と一緒にリストに掲載されるのは間違っていると思っている。「どんな罪を犯したのかは無関係で、みんな自動的に児童レイプ犯と呼ばれるんだ。恐ろしい性犯罪と全て一緒くただ──違いなんて誰も気にしてない」とリッチーさんは語った。

 フロリダ州法執行当局のウェブサイトによれば、性犯罪者の居場所を公開することは「性犯罪者から自分と家族を守る上で重要な情報を市民に提供する」意味があるという。フロリダは1997年に全米の州で初めてインターネットで性犯罪者のリストを公開した。現在では、写真と住所、犯罪記録を掲載したリストが4万件を超えている。

 だが、このようなリストが公開されていることで社会復帰が困難になっているとの批判もある。

「処罰は受けるべきだが、出所して保護観察期間が終わり、処罰が済んだ後になっても、現在の法律は元受刑者たちの社会復帰を阻害している」と語るのは、性犯罪法の改革を求めるボランティア団体「リフォーム・セックスオフェンダー・ロー(Reform Sex Offender Laws Inc)」のサンディー・ロゼック(Sandy Rozek)氏だ。

 ロゼック氏は、法による制約と公開リストが「人間以下とみなされる人々の下位文化」を生み出していると批判。「社会への再編入こそが再犯率を下げることは、研究により示されている」と述べた。(c)AFP/Guillaume MEYER