「バチカンは児童虐待を隠蔽」、国連委が報告書
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【2月6日 AFP】国連(UN)の子供の権利委員会(Committee on the Rights of the Child)は5日、バチカン(ローマ法王庁)に対し、児童虐待を根絶せずに組織的隠蔽(いんぺい)を許しているとして、児童に対する性的暴行や性的虐待の疑いのある聖職者を排除するよう求める報告書を発表した。
ローマ・カトリック教会の聖職者による児童性的虐待問題に関する報告書を国連機関が発表したのは今回が初めて。同委員会はこの中で、児童虐待被害者の扱いに関する深い懸念を表明。バチカンは被害者の保護よりも、教会の評判と容疑者を守ることを組織的に優先している、と非難。世界中で「何万人」もの子どもたちが虐待を受けているとし、バチカンに「即時に既知の、また疑いのある児童虐待加害者を職務から外し、関係捜査当局に委ねること」を求めた。
子供の権利委員会のカーステン・サンドバーグ(Kirsten Sandberg)委員長は、バチカンが「ゼロ容認」の方針を採用すると誓約しているのにもかかわらず、いまだに1989年の国連の子どもの権利に関する条約(UN Convention on the Rights of the Child)に明らかに違反している状態が続いていると述べている。
報告書は、バチカンは虐待の規模を認識しておらず、また子どもの保護に必要な措置も取らず、加害者が罰を受けずに犯罪を続けていることを許しているとしている。
前ローマ法王ベネディクト16世(Benedict XVI)(在位2005~13年)は、虐待の被害者に謝罪し、ゼロ容認を呼びかけた最初の法王となったが、実際の行動より巧言が先に立っているとも批判されていた。
ベネディクト16世の後を継いだフランシスコ(Francis)法王は、カトリック教徒は児童虐待問題を「恥」と感じるべきだと述べ、昨年12月には、性犯罪の調査と防止や被害者のケアのための教会委員会を設立した。
子供の権利委員会はこれを評価したが、さらに虐待問題に対処する独立した機構をはじめ、より多くの措置が必要だとしている。
一方のバチカンは報告書について、児童虐待を一掃する新たな取り組みが評価されておらず、事実を歪曲していると反論している。(c)AFP/Jonathan FOWLER