■残酷な拷問

 北朝鮮政府は収容所の存在を否定しているが、報告書は元収容者や元監視員、近隣住民らの証言や衛星画像から北朝鮮側の主張は真実でないと証明されたとしている。

 北朝鮮の収容所には8万~12万人がいるとみられる。政治犯には連座制が適用されるため、家族や親戚全員で収容されている人たちもいる。

 過去半世紀で数十万人が収容所で死亡したとみられる。報告書は「意図的な飢餓、強制労働、処刑、拷問により、(収容者たちは)徐々に排除されていった」と記している。

 報告書には元収容者が描いた詳細な拷問の絵も含まれている。拷問は、それぞれの残酷な手法によって「ハト」「飛行機」「オートバイ」などの呼び名がついていた。