■「ソフトパワー」への視野が狭い中国

 中国の政府系シンクタンク中国国際問題研究所(China Institute of International StudiesCIIS)の曲星(Qu Xing)所長は、中国国民の多くは中国の外交はまだまだ厳しさが足りないと考えていると主張し、中国政府の行動によって中国の国際的なイメージが傷つく恐れはないと話している。

 しかし中国国営紙・環球時報(Global Times)が14か国の1万4400人を対象に行った調査で、国際問題について中国は「好戦的」だと答えた人は回答者の29%に上った。

 米ハーバード大学(Harvard University)のジョセフ・ナイ(Joseph Nye)教授は、中国は自国の取る手段が自らの「ソフトパワー」に与える影響についての視野が狭いと言う。ナイ教授が提唱した「ソフトパワー」とは、経済力や軍事力ではなく、文化や政治体制の魅力によって他国からの支持や共感を得ることで成果を上げる能力のこと。

 ナイ教授はAFPに対し、「中国はソフトパワーを政治的なものというよりも文化的なものと考える傾向がある」と指摘し、中国は目的と行動の間の矛盾に十分な注意を払っていないと指摘した。(c)AFP/Felicia SONMEZ