■中国の怒りを買ったフィリピンやパラオ

 中国の怒りを買ったのはノルウェーだけでない。南シナ海の領有権問題で中国と対立しているフィリピンは13年11月に記録的な勢力の台風30号(アジア名:ハイエン、Haiyan)で甚大な被害を受けたが、中国の当初の支援はわずか10万ドル(約1000万円)だった。

 国際社会からの批判を受けて中国は支援額を180万ドル(約1億8000万円)に引き上げたが、日本の3000万ドル(約31億円)、米国の2000万ドル(約20億円)を大きく下回った。

 スウェーデンの家具大手イケア(IKEA)がチャリティー基金を通じて270万ドル(約2億8000万円)を寄付したことに触れ、「中国、フィリピン支援でイケアにも及ばず」と報じた新聞もあった。

 12年には、同じ領有権問題を背景に、害虫が付着していたとの理由でフィリピン産バナナの輸入を制限。中国とフィリピンの港には放置されて腐ったバナナが大量に積み上げられ、フィリピンは推計2300万ドル(約23億円)の損失を被った。

 また2009年にパラオ政府がキューバにあるグアンタナモ(Guantanamo)米海軍基地内の収容施設に拘禁されていた中国がテロリストとみなすウイグル人6人を受け入れる意向を示すと、中国からの投資でパラオ国内に建設中だった海辺のリゾート施設の工事が突然中止された。