【1月7日 AFP】英防衛大手BAEシステムズ(BAE Systems)は5日、データから立体造形物を作る「3Dプリンター」で作られた、金属製の部品を採用した戦闘機「トーネード」の飛行試験を2013年12月に行ったことを明らかにした。飛行試験は成功したという。

 3Dプリンターで作られたのは操縦席内部の無線機の保護カバー、着陸装置を保護するためのカバー、吸気口の支柱だ。BAEシステムズの機体統合部門の責任者、マイク・マレー(Mike Murray)氏は「パーツの生産拠点が限定されずに済む。船や航空母艦など他の分野への供給も可能だ」とコメントした。

 同社によると、英東部にある空軍基地内で作られた部品の一部は、製造コストが100ポンド(約1万7000円)未満に抑えられたとされ、そのことから年間数十万ポンドのコスト削減につながる可能性も期待できるという。

 昨年8月には、米航空宇宙局(NASA)が3Dプリンターで作った部品を利用して組み立てたロケット・エンジンの燃焼実験に成功している。航空宇宙産業では機械部品の製造コストの削減と製造期間短縮を目指している。(c)AFP