異常気象が「普通」に、気候激変の節目は最速で2047年 米研究
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【10月18日 AFP】地球が気候の激変を経験する時期はすでに34年後に迫っており、私たちが見知っている環境は永遠に変わってしまうとする気候変動予測が前週、英科学誌ネイチャー(Nature)に発表された。
論文によると、現在の温室効果ガスの排出傾向でいけば、地球上の多くの場所が、過去に記録されている異常気象を超える気候に移行するのは2047年。仮に化石燃料の使用による排出量が安定化するシナリオであれば、2069年まで先延ばしされるという。
今回の論文の主著者でハワイ大学(University of Hawaii)地理学部のカミーロ・モラ(Camilo Mora)氏は声明で「この結果にがく然とした。私たちの生きているうちに、私たちが慣れ親しんでいる気候は過去のものになってしまうということだ」と驚きを語った。
気候変動研究の大半は、2100年などといった任意に選ばれた年の平均気温を予測するものだった。
今回の研究は、世界をいくつかの地域に分け、気候変動が閾値を超え、これまでは異常気象とみなされてきた天気事象が「普通」となる年を探った。
モラ氏は「どのシナリオかにかかわらず、変化はもうじき起こる」と述べ、生物種は適応や移動、または絶滅を強いられると警告している。
米カーネギー研究所(Carnegie Institution for Science)地球生態学部のケン・カルデイラ(Ken Caldeira)氏も「人類が世界の生態系をまったく新しい、生態系自らが対処できない状況へ押しやっていることを示す研究だ。様々な絶滅が起こるだろう」とコメントしている。
最も早く、最も大きな打撃を受けると研究が予測しているのは、熱帯だ。熱帯の植物や動物は、気候の多様性に慣れていないため、小さな変化にも弱い。「熱帯には世界で最も素晴らしい海洋性、陸生生物の多様性があるが、地球上の他の場所よりも約10年早く、未知の気候を経験するだろう」と論文執筆者らは述べる。世界人口の多くが住み、また世界の食糧供給に大きく貢献している地域でもある。
今回の論文の共著者ライアン・ロングマン(Ryan Longman)氏は「発展途上国を中心に、楽観的なシナリオでも10億人超、このままで進んだ場合のシナリオでは50億人が、2050年より前に異常気象を経験する地域に暮らすことになる。研究結果は、未知の気候の打撃を最初に受ける国々は、対処能力が最もない国だという点を示唆している」と指摘している。
信頼性の高い気象データのある過去150年間に観測された異常気象が「普通」となる時点は「気候逸脱の時機」と呼ばれている。現在のまま進んだ場合の排出シナリオに沿って研究チームが予測している「気候逸脱の時機」は、インドネシアのマノクワリ(Manokwari)が2020年、ナイジェリアのラゴス(Lagos)が2029年、メキシコ市(Mexico City)が2031年、アイスランドのレイキャビク(Reykjavik)が2066年、米アラスカ(Alaska)州のアンカレッジ(Anchorage)が2071年となっている。(c)AFP