【6月13日 AFP】「超温室効果ガス」の大量排出国である中国と米国が排出規制に合意した同ガスの段階的削減により、2050年までに地球温暖化を「0.5度」抑える可能性があるとの報告書が12日、発表された。

 この報告書はドイツのボン(Bonn)で開催された国連(UN)気候変動会議に合わせて出されたもので、代替フロンとして使用されているハイドロフルオロカーボン(HFC)削減の新たな米中取り決めは「効果を生む可能性がある」としている。

 報告書の共著者、独非営利団体「クライメート・アナリティックス(Climate Analytics)」のビル・ヘア(Bill Hare)所長は、HFCが世界的に廃止されるならば、「温暖化を0.1~0.5度抑制する可能性がある」と記者団に述べた。

 HFCは冷蔵庫、エアコン、工業用溶剤などに、オゾン層を破壊するクロロフルオロカーボン(CFC)やハイドロクロロフルオロカーボン(HCFC)などの化学物質の代替物として使用されている。

 HFC排出は、とりわけ発展途上国での生産活動により、CO2換算で今日の年間1ギガトンから、2050年までに4~9ギガトンに増加すると予想されている。米国と中国は温室効果ガスの2大排出国であり、排出量は両国あわせて40%余りを占めている。(c)AFP