【9月5日 AFP】南米パラグアイの首都アスンシオン(Asuncion)で4日、バス運転手らが十字架に自ら「はりつけ」になって解雇に抗議するデモを行った。8人の運転手は30日以上、くぎで両手を十字に組んだ木に打ち付けたまま復職を求めて抗議を続けているという。

 はりつけでの抗議はアスンシオン郊外のルケ(Luque)で行われていたが、4日に労働組合や先住民団体が主催した抗議集会に出席するためアスンシオンに移動してきた。

 AFPは前月29日、ルケのバスターミナル近くで抗議中の運転手らに取材した。運転手らは人差し指と中指の間の手のひらを、長さ約37センチのくぎで十字架に打ち付けており、それぞれがはりつけになった十字架の脇には棺桶が置かれている。28日には、はりつけ中の運転手1人の妻(39)も、この抗議に参加した。

 地元労働組合の組合長で、自分もはりつけになっているフアン・ビラルバ(Juan Villalba)氏はAFP記者に対し、8人全員が復職し従業員手当ての全権利を手にするまで、はりつけによる抗議はやめないと断言した。その一方でビラルバ氏は、はりつけ実行者の中に高熱や胃痛を訴えるなど体調を崩すものも出ていると認めている。

 他にも、同じ労働組合のメンバー4人がやはり1か月以上、ハンガーストライキによる抗議を続けている。(c)AFP