【11月12日 AFP】エジプト警察は11日、新生児300人余りを人身売買していた組織を摘発し、カイロ(Cairo)市内の病院の医師1人、看護師2人を含む容疑者5人を逮捕したと発表した。この病院の院長は逃亡しており、警察が行方を追っている。

 警察発表によると、容疑者らは約3年間にわたってこの病院で生まれた新生児を1人当たり最高570ドル(約4万5000円)で売っていたとされる。病院では、望まない妊娠をしながら中絶するには遅すぎる妊婦に対し、生まれた新生児を売ることを条件に帝王切開手術を行っていた。売却先は主に子どものいない夫婦だったという。

 エジプトでは養子縁組が法律で禁じられており、2009年には孤児院から子どもを買ったとして米国人夫婦が2年の禁錮刑判決を受けている。このため法規制を回避する手段として子どもを買う夫婦もいる。

 一方、中絶は母体に危険が及ぶ場合に限り認められている。(c)AFP