【10月26日 AFP】ミャンマー西部ラカイン(Rakhine)州で、仏教徒の住民とイスラム教徒のロヒンギャ(Rohingya)人との衝突が再燃し、この数日間に4地域で56人が死亡、家屋2000戸が放火される被害が出ている。同州当局者が26日、AFPに明らかにした。

 一方、最大都市ヤンゴン(Yangon)の政府高官の話では犠牲者数は67人に上る恐れがあり、数千人が居住地からの避難を余儀なくされているという。

 ラカイン州では今年6月、仏教徒とロヒンギャ人の大規模な衝突で非常事態宣言が出されている。ミャンマー当局によると以来、同州での死者は150人を超えているという。

 ミャンマー国内には約80万のロヒンギャ人が暮らしているが、ミャンマー政府や多くのミャンマー人からは隣国バングラデシュからの不法移民とみなされていることが対立の背景にある。

 ラカイン州の情勢はテイン・セイン(Thein Sein)首相が進める民主化にも暗雲を投げかけており、衝突の再燃を受けて米国務省のビクトリア・ヌーランド(Victoria Nuland)報道官は双方に暴力の即時停止を求める声明を発表。国連(UN)も同問題への重大な懸念を表明した。(c)AFP