【7月30日 AFP】政府軍と反体制派勢力との激しい戦闘が続くシリア北部最大の都市アレッポ(Aleppo)では、約20万人の民間人が同市から避難する中、依然多くの市民が脱出できないでいる。国連(UN)が発表した。

 国連のバレリー・アモス(Valerie Amos)人道問題担当事務次長は声明の中で、アレッポから2日間で20万人が避難したが、その一方では大勢がまだ市内に取り残されていると述べた。また、AFP特派員によると、人口250万人のアレッポに残された市民は、砲撃やヘリコプターよる爆撃から逃れるため地下室に殺到しているという。

 アモス氏はニューヨーク(New York)で、アレッポやダマスカス(Damascus)、その他の地域の民間人に対する「砲撃、戦車や重火器の使用に強い懸念を持っている」と述べ、アレッポの市民が学校などの公共施設に集まっており、「ただちに食料やマットレス、毛布、衛生用品、飲料水を必要としている」と語った。

 シリアの反体制派組織、シリア国民評議会(Syrian National CouncilSNC)は29日、シリア政府がアレッポで「虐殺行為」の準備を進めていると非難し、政府軍の攻撃に対抗できるよう、反体制派勢力に重火器を提供するよう呼び掛けた。またSNCは、アレッポに閉じこめられた民間人を救助する方策について緊急会合を開くよう国連に求めた。

 またシリア人権監視団(Syrian Observatory for Human Rights)は同日、南西部のサラヘディン(Salaheddin)付近で激しい交戦が続いていることを明らかにした。同地域ではその前日、政府軍が地上部隊を投入して急襲したものの、反体制勢力に撃退されていた。(c)AFP