【5月15日 MODE PRESS】オーガニックハーブなど南仏プロヴァンス産の植物原料やエッセンシャルオイルをベースに、植物療法やアロマテラピーの考え方を採り入れたフランスのコスメティックブランド「ロクシタン(L'OCCITANE en provence)」。世界中で支持されている人気のブランドが日本で成功した理由をCEOのレイノルド・ガイガー氏に聞いた。

■インタビュー:レイノルド・ガイガー(ロクシタン CEO)

-3つの要因

 現在、日本の売上はブランド全体のおよそ25%を占めており、1位に君臨しています。次に米国、フランスと続きます。ほかにも、中国やロシア、ブラジルなどでも好調に売り上げを伸ばしており、私たちは常に新しい製品の開発に取り組んでいます。

 我々が日本で成功している理由として、3つの要因が考えられます。まず1つ目は、日本の消費者の方たちと相性が良いということ。製品の質を理解し、評価してくださったことです。我々の顧客はリピート率が非常に多いこともその証といってよいでしょう。2つ目に、わかりやすいブランドコンセプト。我々の製品は、自然に目を向け植物療法やアロマセラピーの考え方によって選択した原料によって作られています。消費者にとって、わかりやすいメッセージをアピールしていることです。3つ目は、人材。従業員同士が親しく、まるで家族のような組織です。ダイナミックで情熱をもったスタッフが自然と集まり、それによって仕事をする上である意味特別な環境をつくっている。ロクシタンのダイナミズムはこうして形成されています。スタッフがブランドとともに成長し、育ててくれたと言っても過言ではないでしょう。

-ロクシタンと日本の相性

 一般的に、日本市場は非常に特殊なマーケットだといわれていますが、我々も日本に進出する際は同様の考え方でした。しかし、実際市場に参入してみると驚いたことに、他国とさほど大きな違いは感じなかった。日本市場を意識して、他国とは違った別の商品を展開しなければいけないと思いこんでいただけに、良い意味で期待を裏切ってくれた。もちろん、香りやテクスチャーの好みなど国によって多少の違いはあるかもしれませんが、取り上げるほどの問題ではありません。

-市場の反応

 新製品を発売する時は消費者がどのような反応するか当然よめませんので、どの化粧品会社も常にリスクをかかえていると思いますが、経験を積んでいくにしたがって、さまざまな問題を回避できるようになる。しかし、柔軟な対応ができるようになっても、市場に仕掛けていくなかで時として予想しない驚きの反響も多々経験します。

 これまでの経験のなかで、いくつか興味深かったケースを挙げるなら「イモーテル」というスキンケア用製品のローンチ時です。当初、そこまで大きな反響を予想していなかった製品でしたが、結論から言うと製造が追いつかないほど売れました。また、シアハンドクリームは、20年以上前から同じ処方で売れ続けている商品で、いまでは「5秒に1個が売れる」人気商品です。はちみつ配合の製品を発売したときは、我々の期待が高すぎたのか期待していたほどの反響が返ってきませんでした。「はちみつ=美容に良い」、つまり当然消費者は良い反応を示してくれるであろうという我々の思惑とは若干のズレがありました。

 これまでに、日本市場を意識した商品を企画したなかでおもしろかったのは、スキンケアのブライトニング製品です。日本人女性のために開発した商品でしたが、他国でも非常に好評で売れました。ロクシタンにとって、日本の市場はけっして特殊なマーケットではないといえるでしょう。

-アジアでの展開

 現在アジア全域で約350の店舗を展開しています。中国においては、7年前に北京に出店したのを皮切りに上海、広州に出店しました。当時はそれ以外の街に出店しても結果は得られないだろうと判断しました。しかし現在中国では、20以上の都市で約100の店舗を展開しています。ここ数年で中国市場はずいぶん成長しました。今後も出店数は増えていくでしょうね。

 新興市場としてのインドは、まだ“高級品市場”というものができあがっていない。できあがりつつある時期ですね。ショッピングセンターがたくさんオープンしはじめているけれど、まだ人が少ない。なぜなら、ショッピングセンターへいく道路や交通手段が整備されていないからです。インドは今後、ゆっくり時間を掛けて展開していきたいと考えています。(c)MODE PRESS