【12月23日 AFP】母なる大自然も、天から来られた将軍様の死を悼んでいる――。北朝鮮の国営朝鮮中央通信社(Korean Central News AgencyKCNA)は22日、金正日(キム・ジョンイル、Kim Jong-Il)総書記の死去後、生誕地とされている白頭山(Mount Paektu)や国内各所で超常現象が相次いでいると伝えた。

 KCNAによると、金総書記が死去したとされる17日朝、中朝国境にある白頭山の湖「天池(Chon Lake)」で、氷が轟音とともに割れ、一帯は猛吹雪となった。吹雪は20日の夜明けとともに突然吹きやみ、朝日が地平線や山頂を照らした。岩に刻まれた「革命の聖山・白頭山 金正日」という文字もまぶしく輝き、この現象は同日夕方まで続いたとしている。

 また、金総書記の死去が発表された19日には、白頭山にある「正日峰(Jong-Il Peak)」の頂上が30分間にわたって輝いたという。

 白頭山は、金総書記の父の故・金日成(キム・イルソン、Kim Il-Sung)国家主席が抗日パルチザンを率いて戦った聖地とされ、北朝鮮の公式記録では金総書記は1942年に同地で誕生したことになっている。ただ、歴史学者らは実際の生誕地は旧ソ連のシベリア(Siberia)と見ている。

 超常現象は他にも伝えられており、20日夜には東部・咸興(Hamhung)の東興山(Tonghung Hill)に立つ故・金日成国家主席の銅像の周囲を、タンチョウヅルが3度旋回した後、近くの木に舞い降り、長い間じっと頭を垂れている様子が目撃されたという。

 やがて、ツルは平壌(Pyongyang)の方角に飛んでいったとKCNAは報じ、「咸興市の当局者や市民らは、口をそろえて『タンチョウヅルも、天から来られた将軍様(金総書記)のことが忘れられず、凍てつく夜にもかかわらず飛んできたのだろう』と語り合っている」と伝えた。(c)AFP

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