【9月2日 AFP】韓国の登山家、呉銀善(オ・ウンソン、Oh Eun-Sun)さんによる女性初のヒマラヤ8000メートル峰14座制覇が疑問視されている問題で、ライバルのスペイン人登山家、エドゥルネ・パサバン(Edurne Pasaban)さんは1日、「呉さんは、はめられたのではないか」との見方を示した。

 呉さんは4月27日にネパールのアンナプルナ(Annapurna、標高8091メートル)登頂に成功。パサバンさんはその3週間後、シシャパンマ(Shisha Pangma)登頂に成功し、呉さんに続いて14座制覇を果たした。

 しかし、呉さんが2009年に達成したとされるカンチェンジュンガ(Kanchenjunga)登頂について疑惑が持ち上がった。韓国・ソウル放送(SBS)は前月21日、呉さんが証拠として提出した写真に不自然な点があるとする番組を、シェルパや地元登山家らの証言とともに放送。同27日には大韓山岳連盟(Korean Alpine FederationKAF)が、呉さんのカンチェンジュンガの頂上には達していなかったとの見解を発表した。

■証言に矛盾、「シェルパがだました」?

 かねてから呉さんのカンチェンジュンガ登頂に疑問を投げかけていたパサバンさんは、おそらく周囲の人びとが呉さんを「だました」可能性があると語った。「山頂近くは悪天候だったため、おそらくシェルパが『ここが頂上だ』と呉さんに信じ込ませ、写真を撮って下山したのではないか」

 また、呉さんに同行したシェルパらについて、「1人目のシェルパは頂上に到達したといい、2人目は登頂には成功していないという。そして3人目は行方がわからない」と述べ、証言が矛盾していることを指摘。その上で、呉さんを「気の毒に思う」と話した。(c)AFP

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