【4月28日 AFP】(写真追加、一部更新)韓国の女性登山家、呉銀善(オ・ウンソン、Oh Eun-Sun)さん(44)は27日、ネパールのアンナプルナ(Annapurna、標高8091メートル)の登頂に成功し、女性としては世界で初めてヒマラヤ8000メートル峰14座を制覇した。しかし、実際に14座すべてに登頂したのか、疑惑が持ち上がっている。

 登頂の瞬間は韓国にテレビで生中継された。呉さんは、頂上に韓国の国旗、太極旗を立てて「万歳!」と叫び、同伴の登山家が構えるカメラに向かって「うれしい。みなさんのおかげです」と一礼した。

■14座制覇の正当性に疑義

 だが、14座制覇という記録の正当性については、現在調査が行われている。

 呉さんが2009年に登頂したとされるネパールと中国・チベット(Tibet)自治区との国境沿いにあるカンチェンジュンガ(Kanchenjunga)について、14座女性初制覇を競っていたスペインのエドゥルネ・パサバン(Edurne Pasaban)さんら複数の登山家が疑義を表明していることが、前週明らかになった。

 同じく14座のシシャパンマ(Shisha Pangma)にいるパサバンさんは同日、公共ラジオを通じて、呉さんはカンチェンジュンガに登頂していないのではないかと疑っている、と語った。

 そのきっかけとなったのが、呉さんが頂上で撮ったと主張する写真だ。2人は同時期にカンチェンジュンガにアタックしたのだが、頂上で撮影された写真は、パサバンさんの方は雪の上に立っているものの、呉さんの方はむき出しの岩の上に立っていた。

 さらに、今年に入って、呉さんのカンチェンジュンガ登頂に付き添ったシェルパたちと遭遇した際、カンチェンジュンガの頂上には達していなかったとの証言が得られたという。

「彼女は、カトマンズに戻った時点で、尋問を受けるだろう。(14座すべてを登頂したことを)彼女は証明しなければならない」と、パサバンさんは語った。(c)AFP/Sophia Tamot

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