【7月7日 AFP】その瞬間、ドイツ国民は大きなため息をついた――。サッカーW杯南アフリカ大会(2010 World Cup)でドイツ代表チームの勝敗をこれまで100%の的中率で予言してきたタコの「パウル(Paul)」が、準決勝ドイツ対スペインの勝者として、スペインを選んだからだ。

 ドイツ西部オーバーハウゼン(Oberhausen)の水族館「シーライフ(Sea Life)」では6日、いつものようにそれぞれドイツとスペインの国旗を張り付けた、ごちそう入りのプラスチック製の2つの箱がパウルの前に下ろされた。パウルが最初に開けた方が「勝者」だ。

 パウルの「神託」の様子はドイツ全土に生中継された。スペインを選んだ瞬間、会場に詰めかけた大勢の報道陣からは、苦渋に満ちたうめき声があがった。

 パウルの一連の行動が試合の流れを予想しているものだとしたら、ドイツ対スペイン戦は手に汗握る戦いになるだろう。パウルは当初、ドイツの箱を開けるようなそぶりを見せながら、最終的にスペインの箱を選んだのだ。

 ドイツ代表にもチャンスがないわけではない。2008年の欧州選手権では、パウルは1試合の予言を外し、ドイツ代表に関する予言的中率は80%だった。ただ、唯一外した1試合は決勝のドイツ対スペイン戦で、この時はスペインが勝利している。(c)AFP