【12月24日 AFP】ただでお酒を飲み、同僚をダンスに誘う――。会社が主催するクリスマスパーティーは多くの英国人にとって、1年のハイライトともいえるイベントだ。

 しかし、深刻な景気後退はクリスマスパーティーにも影を落としている。パーティーの規模を縮小したり、中止したりする動きが出ているのだ。

 今週発表された調査によると、景気後退前年の2007年にクリスマスパーティーに使われた費用は約10億ポンド(約1500億円)だったが、今年は約6億ポンド(約900億円)にまで落ち込む見通しだという。

 最も影響を受けそうなのは金融機関だ。信用収縮による負債に加え、一般市民が苦労する中、ぜいたくな暮らしをしているとの批判を恐れているためだ。

 英銀大手ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド(Royal Bank of ScotlandRBS)は前年、クリスマスパーティーに100万ポンド(約1億5000万円)を使った上、幹部に30万ポンド(約4400万円)の高額ボーナスを支給したことが報じられ、大騒動となった。多額の不良債権が明らかになり、現在は政府が70%の株式を保有している。今年は大勢で集まる代わりに小さなグループごとにパーティーを行う。これまでよりも少額ながら、会社からの補助も出るという。銀行の資金を無駄にしたくはないが、従業員のパーティーに少しばかり出資する慣習は「適切」だと広報担当者は説明する。

 英銀大手ロイズTSB(Lloyds TSB)も今年はトーンダウンしている。かつてのクリスマスパーティーで採用された旧ミレニアムドーム(Millennium Dome)という会場、テムズ川(River Thames)下り、有名シェフ、ゴードン・ラムゼイ(Gordon Ramsay)氏によるディナー、女性歌手グループのシュガーベイブス(Sugababes)によるミニコンサートなどは、今年は「不適切」と判断された。

 自動車業界にも倹約の波は押し寄せている。スウィンドン(Swindon)の工場で今年1300人の人員を削減したホンダUK(Honda UK)は、会費制のパーティーを開くという。

 調査会社YouGovが前月、被雇用者を対象に行った会社のクリスマスパーティーの有無に関する調査によると、「ある」は38%、「ない」は30%、「わからない」は32%だった。

 一方、経営者のための学校、チャータード・マネジメント・インスティチュート(Chartered Management Institute)がマネジャー1300人を対象に行った調査によると、3分の2がクリスマスパーティーは従業員が1年に経験した厳しい仕事を知るために「必要不可欠」だと考えており、ディナーの代わりにランチ、コンサートの代わりにカラオケといった具合に費用を節約して、何らかのパーティーを開きたいと考えていることが分かった。(c)AFP/Frederic Pouchot