【11月26日 AFP】セネガル北部のルガ(Louga)では、ほとんどの住民が欧州に暮らす親族からの仕送りに大きく依存しているが、昨今の金融危機は、仕送り額の減少をも意味している。

 パリでは25日、欧州とアフリカの関係閣僚が一堂に会し、不法移民対策が協議される。しかし、合法・不法を問わず海外に職を求める伝統が根強く残るセネガルのような貧困国では、不法移民を防止する取り組みは困難だ。実際、移民からの送金額は、海外からの援助額を上回る。

 ルガに暮らす30代の主婦、マリアムさんの夫は、イタリア・ミラノ(Milan)に不法移民として滞在している。金融危機の余波はイタリアにも及び、夫からの送金は2か月前から止まっているという。

 マリアムさんへの9月以来の送金額は、欧州に暮らす2人の兄弟からの1万CFAフラン(約1万8000円)に過ぎない。1人はベネチア(Venice)の縫製工場で働き、もう1人は無許可営業の露店商をやっている。

 マリアムさんは現在、義父のママドゥさん宅に暮らす。同居する親族20人は全員、女・子ども・高齢者だ。若い男たちは、一人残らず欧州へ出稼ぎに行っている。

 近所のマッサバさん宅でも、暮らしが厳しくなっている。光熱費、子どもたちの学費や食費はすべて、フランス、スペイン、イタリアにいる息子たちからの送金でまかなわれているという。

「わが家の家計は、欧州経済に同調しており、欧州の金融危機がわが家を直撃している」とマッサバさん。その言葉を裏付けるかのように、バルセロナで働く長男が3人の妻、13人の子どもたちへ送金する仕送り額は、これまでの月額25万CFAフランから10万CFAフランへと激減しているという。(c)AFP