【8月15日 AFP】野菜や果物を多く食べる男性は、あまり食べない男性よりも食道がんになるリスクが低いことが、厚生労働省研究班が14日発表した調査結果で明らかとなった。

 研究班は、45-74歳の男性3万9000人を対象に約8年間の追跡調査を実施した。日本人男性は「食道扁平(へんぺい)上皮がん」になりやすいとされており、期間中に116人がこのがんを発症している。主任研究者の津金昌一郎(Shoichiro Tsugane)国立がんセンター予防研究部長よると、主に喫煙や飲酒が原因だという。

 対象者を野菜と果物の合計摂取量に応じて3つのグループに分けて観察し、野菜や果物を食べる量が一番多いグループと一番少ないグループを比較すると、前者は食道扁平上皮がんになるリスクが約半分であることが分かった。 

 野菜や果物の総摂取量を毎日100グラム増やすと、食道扁平上皮がんの発症率が11%低下した。大根やキャベツなど特にアブラナ科の野菜をとることで、がんの予防効果が期待できるという。

 研究の結果、野菜や果物の多い食事は、飲酒・喫煙の習慣がある場合でも、食道がんのリスクを約3分の1に減少させる効果があることが判明している。だが、健康のためには禁煙・禁酒にまさるものはないことも指摘されている。(c)AFP