【7月20日 AFP】モスク立てこもり事件での治安部隊突入に対する報復の自爆テロがパキスタン各地で多発する中、米国からは国境地域への軍事行動に踏み切るよう求める圧力が高まり、ペルベズ・ムシャラフ(Pervez Musharraf)大統領が窮地に陥っている。また追い打ちをかけるかのように20日、ムシャラフ大統領による最高裁長官の停職処分問題で、処分を違法とする裁定が最高裁で下された。

■モスク突入に対する報復攻撃

 19日にはモスク突入に対する報復攻撃が3件発生。軍施設内のモスク、警察学校、中国人労働者の乗った車列が狙われ51人が死亡。一連の報復攻撃による犠牲者は合わせて200人近くに達した。

 13日の抗議行動で、ムシャラフ大統領の人形を燃やしたり、米国を象徴するアンクル・サムの人形を燃やすなどした強硬派のイスラム神学者たちは20日、金曜礼拝で、米国の支援を受けた軍事政権打倒を訴えた。

■海外からの圧力

 アフガニスタンとの国境地域における武装勢力掃討強化を繰り返し述べてきたムシャラフ大統領だが、米国政府は大統領により一層の努力を求め、大統領が軍事行動に踏み切らない場合は、米国が単独で軍を展開すると圧力をかける。

 トニー・スノー(Tony Snow)米大統領報道官は19日、米軍によるパキスタン領内での軍事行動展開は今後あり得るかとの記者団の質問に対して、「いかなる選択肢も決して否定はしない。その中には、脅威となる可能性のある標的への空爆も含まれる」と答えた。また、その場合にムシャラフ大統領に事前に許可を求めるかとの質問に対しては、「そうした問題は公式の場では討議しないに越したことはない」と返答を避けた。

 米国政府はここ数日間、ムシャラフ大統領がアフガニスタン国境の部族地域の指導者たちと結んだ停戦協定を激しく非難。連邦直轄である部族地域は、国際テロ組織アルカイダ( Al-Qaeda)とアフガン旧政権タリバン(Taliban)の武装勢力の潜伏先と考えられており、米政府は強硬な軍事行動をとるようムシャラフ大統領に迫っている。(c)AFP/Frank Zeller