【ハーグ/オランダ 28日 AFP】国際司法裁判所(International Court of justice、ICJ)は27日、スレブレニツァ(Srebrenica)の大量虐殺事件(1995年)当時にセルビア・モンテネグロ政府の行った行為についての審理の結果、同国政府に直接責任はないとする判決を下した。

 ICJのRosalyn Higgins判事は、スレブレニツァの事件を「ジェノサイド」と認定する一方で、「大量虐殺の阻止に失敗した点においてセルビア・モンテネグロ政府は国際法に違反したと言えるが、犯罪行為そのものについて直接の責任は認められない」と判断。

 ICJはさらに、ボスニア・ヘルツェゴビナ人イスラム教徒8000人の殺害をめぐり、セルビア・モンテネグロはボスニア・ヘルツェゴビナに対する義務に違反したが、損害賠償金の支払いは不要と裁定している。

 写真はベオグラード(Belgrade)の米大使館前で同日、コソボ自治州の最終地位をめぐる問題で国連(UN)から派遣されたマルッティ・アハティサーリ(Martti Ahtisaari)事務総長特使(前フィンランド大統領)への抗議集会に参加したセルビア人男性。(c)AFP/DIMITAR DILKOFF