【4月3日 AFP】フランス国民議会(下院)は3日、痩せ過ぎのモデルを禁止する修正法案を賛成多数で可決した。ファッションの都・パリ(Paris)のモデル事務所は声をそろえて反対を叫んでいる。

 修正法案は「体格指数(BMI)が一定基準以下の人」は「ランウェイ(キャットウオーク)モデルとして働くことができなくなる」と定めている。「痩せ過ぎ」とみなされるモデルを雇用しているモデル事務所には6月以下の禁錮刑と7万5000ユーロ(約980万円)以下の罰金が科される可能性がある。

 修正法案を提出したオリビエ・ベラン(Olivier Veran)議員は「そのような刑罰が科される可能性は、業界全体を規制する効果を持つ」と述べ、同様の対策がスペインやイタリア、イスラエルなどですでに取られていると付け加えた。

 先立ってマリソル・トゥーレーヌ(Marisol Touraine)保健相は、若いモデルたちは「よく食べ、健康に気を使うべきだ」と述べ、「これは、モデルたちを美しさの手本とする若い女性たちへ向けた重要なメッセージだ」と語っていた。一方、全仏モデル事務所組合(SYNAM)は、同修正法案が可決されればフランスのモデル業界の競争力が損なわれると批判していた。

■拒食症の奨励にも罰則

 この法案の可決に先立って、「過度の細さ」を扇動した者に対し、1年以下の禁錮刑と1万ユーロ(約130万円)以下の罰金を科す修正法案も可決されていた。この法案は、拒食症を奨励しているとの批判も浴びている「プロアナ(pro-ana)」ウェブサイトを標的にしている。

 フランスでは最高4万人が拒食症を患っていると推定されており、うち10人に9人は女性や少女だという。(c)AFP