【4月6日 AFP】皮膚の質感を棘(とげ)のあるものから滑らかなものへと自在に変えることのできるカエルを初めて確認したとの論文が、英リンネ協会(Linnean Society)が発行する専門誌「ズーロジカル・ジャーナル(Zoological Journal)」の4月号に発表された。

 アンデス(Andes)山脈のコケで覆われた湿潤な森林地帯に生息するこの体長約2センチのカエルは、学名「Pristimantis mutabilis」と名付けられた。5分ほどで皮膚の質感を変えることができるとされ、研究者らは、この「変身術」が身を守るためのカモフラージュに役立っているのではないかと推測している。

 研究チームを率いる生物学者のフアン・マヌエル・グアヤサミン(Juan Manuel Guayasamin)氏は、脊椎動物が皮膚の質感を変えることができる例は今まで報告されたことがないとした上で、「カメレオンなど、皮膚の色を変えることができる爬虫(はちゅう)類は知られているが、ここまで劇的に皮膚の質感を変えることができる例は確認されていない」と述べた。

 また論文は、季節を通して皮膚の質感を変えるカエルはこれまでにも知られていたが、わずか330秒で変えてしまうケースはなかったと指摘している。(c)AFP/Santiago PIEDRA SILVA